ミノリン教授のクリティカルな日々。いたずらターリーぬいぐるみ日記もいっしょ。 ★4月~9月までのドイツ研究滞在日記を半年遅れで掲載中です。 
by fantacl
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ノマディック美術館グレゴリー・コルベール ashes and snow
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創作における一つの奇跡だと思いました。都会の蜃気楼のように出現した紙管とコンテナで組み上げた仮設美術館。象徴性を演出するシンメトリーを基調とした空間構成。和紙にセピアでプリントした抑制の行き届いた表現。動物と人間の信じがたい交感。どれを取ってもただただ、凝視するばかりです。

あえて言うなら、音楽とナレーションに関して、視覚にうったえてくる表現レベルとのギャップを感じてしまいした。つまり邪魔に思えたのでした。仮設性を生した美術的空間。映像と静止画と空間設計の三つどもえを融合させる重要であるはずの音響効果が一番説明的だったことが何とも残念に思えました。

でも全体的に素晴らしい鑑賞体験であったことにかわりはありません。この様なクリエイティビティーに満たされた空間に身を置ける幸せをじっくり感じました。ただ、修了二日前の23日土曜日は快晴で気温上昇、仮設テント内はどんどん暑くなり、映像を見る集中力がそがれました。エアコンを使わないこともノマディック美術館では意味のあること。もっと早い時期で、すいているときに来るべきでした。つまり私がうっかりしていた。    2007年3月11日〜6月24日、お台場。
ashes and snow 公式サイト
◎グレゴリー・コルベール関連情報サイト
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by fantacl | 2007-06-25 00:10 | 美術と展覧会
国立新美術館こけらおとし
今月21日に開館した六本木の新名所、国立新美術館に行ってきました。
http://www.nact.jp/index.html
こけら落としで開催中の文化庁「日本の表現力」展は必見です。1950年代から2000年以降まで10年ごとに、マンガ、アニメ、アート、エンターテイメントの切り口で展示が並びます。後半は未来展望と言うことでメディアアート特集。
http://plaza.bunka.go.jp/ex/
「日本の表現力」と国立新美術館を設計した「黒川紀章」の展覧会は入場無料です。2月4日までですから両企画とも見逃さないようにしましょう。美術館のあり方や建築の賛否等、今は細かいことは抜きにして早く行きましょう!それにしても2週間しかやらないとはもったいない。
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1階で開催中の開館記念「20世紀美術探検—アーティストたちの三つの冒険物語—」展は大型企画でこれだけで疲れそうだし、3月19日まで開催中なので後回しにしました。一般1100円、学生600円です。

[建物の印象・・・]
フラクタルな曲面をガラスで構成した話題のアトリウムですが、私は色彩感が乏しいく殺風景な印象を受けました。フラクタル曲面の大ガラス、焦げ茶主体の床や天井、コンクリート表面のグレーの対比は、落ち着きはありますが、なぜか暗く冷たい印象です。1階のフロアーカフェーに座って、冷たいサンドイッチを試しましたが、大ガラスがもたらすはずの外空間とつながる開放感は余り伝わってきません。むしろ、巨大空間と天井の重たい色彩がのしかかりそうで、殺風景な中に孤独感を醸し出します。

一階はトイレもわかりづらく、コーンの下部のトイレは、中銀マンションのカプセルのように狭いです。アトリウムからは、開催中の展示があるというインフォメーションがほとんど見えてきません。レストランのバランスや地階のミュージアムショップのあり方や導線など、問題も多そうです。

展覧会開催中のフラッグやサインも極力抑えられている関係か、イベント開催中である一種の高揚感というものがありません。浮遊感のあるポールボキューズでも試してみれば、また印象が違ってくるかもしれません。
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私は車で行きましたが千代田線乃木坂下車で駅を出てすぐです。車で行く場合は、なんと駐車場がないので要注意! なのでGoogle mapで下調べし、青山墓地反対側のTimes24に停めて墓地を散策しながら行きました。6時間で2400円でした。

それにしても、佐藤可士和氏のロゴからどうしても「国立新美術館」ではなく「国立美術館」と認識してしまいがちです。
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by fantacl | 2007-01-28 23:49 | 美術と展覧会
ズビク・リプチンスキー氏
7月6日(木)のことですが、メディアアート学科客員教授Zbig Rybczynski(ズビッグ・リプチンスキー)氏が本拠地のロスアンジェルスより来校されました。
メディアアート学科見学の後、講演会、そして大学美術館へ立ち寄ってくれました。

閉館時間でしたが、ちょうどJAMで開催中の展覧会「考える公園」(韓国イー教授作品)、展示室の「夏色 秋色ーコレクション展ー」を観覧していかれました。写真は、ヤマザキがつたない説明をしているところ。
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More *Zbig Rybczynski
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by fantacl | 2006-08-05 13:53 | 日記的なもの
スイスのあとはアフリカへ旅立つ
6月8日の記事の続きです。
西麻布のビクトリノックス社をあとに、徒歩にて六本木ヒルズは森美術館へ。アフリカリミックス展なのです。途中、アジアンプリンセスだったかオリエンタルプリンセスだったかな?ココナッツホワイトソースのパスタをば仕込んで、いざ53階へ出陣。
単純に点数多く、広く、見ごたえのあるインスタレーションも10展示くらいあって、3時間の対談後の身にはキツイ観覧となりました。感想はエネルギー充填してまた後日。というか、あと1〜2回、見返さないと軽々にはかけない様子、、、。
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いつ来ても「美の殿堂への入り口であるゾ」と宣言しているような吹き抜け空間、、、。でも今回は、エスカレーターまわりにもオブジェやインスタレーションが所狭しと陣取って、アフリカコンテンポラリーのエネルギッシュな様を醸し出しています。
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ダ・ビンチコード展は一月前にみています。映画予告のようであり、映像装置を駆使した展示は、ほぼ映画配給会社ソニーピクチャーズとプロダクトメーカーであるソニーのプロモーションだという印象が強いです。
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by fantacl | 2006-06-15 23:00 | 美術と展覧会
横浜美術館の観客サービス
横浜美術館のノグチ展とコレクション展を見てきました。今回は、展覧会の内容の話ではなく、美術館の顧客対応について二三気の付いたことを書きます。

現在開催中のイサムノグチ・世界とつながる彫刻展は、さすがにあちこち17箇所からの借用による73点の展覧会ですから撮影禁止でした。でも、コレクション展(収蔵作品展)はフラッシュ無しの撮影がOKだったので、展示室風景を参考に撮ってきました。クレーやエルンスト、ピカソやダリも撮れました。
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これとは別に驚いたのは、展示室がやけに明るい点です。開国時や明治の水彩も掛けてある部屋や、下村観山や今村紫紅などの絹本着彩など退色しやすい日本画展示もやけにルックスが高いのが気になりました。その分、観客にとっては見やすいのですが、クレーの水彩のようなビミョウな作品もしかりでこちらが心配してしまうほどです。よっぽど紫外線と熱線カット性能の高い照明を使っているのかもしれません。

都合で4時近くに入館したので閉館時間が気になりましたが、平日は17時ではなく18時ということで、やれやれしっかり鑑賞することができました。金曜は20時までの対応だそうです。
数年前は確か17時だったような記憶が、、、ですが、はっきりしません。雪山館長が朝日新聞に「美術館の経済学」というコラムを書いていましたから、新館長になってからの対応かもしれません。

コレクション展の部屋には、主なところにゆったりした平イスとその部屋の作品にちなんだ図録や画集が置いてあり、自由に閲覧できる気配りも以前はなかったと思うのです。横浜美術館の経営実態は知りませんが、営業目標がpdf書類でサイトからダウンロード出来るようになっていて、仕切りに改革改善がうたわれている様子をうかがい知ることが出来ます。今までにない合理化と競争原理が顧客サービスを変化させているのではないかなと思った次第でした。

あと、ノグチ展に関していえば、担当学芸員と市民ボランティアがつくるウイークリーブログというのも公開されています。
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上の写真は、館の内外からアクセス可能な美術情報センター。美術関連図書、図録、様々なリファレンスが集積されています。デジタルアーカイブの利用も可能。ノグチ関連書籍を特集中でした。いわゆる他館のチラシやポスター等の広報物はすべてここに集約されています。
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by fantacl | 2006-05-16 21:54 | 美術と展覧会
KIMONO小袖にみる華・デザインの世界
 女子美アートミュージアムで桃山から江戸期の着物である小袖を特集した展覧会を開催中です。6月11日までで、火曜日が休館です。実行委員長と館長として2年越しで企画を仕込んできたので、開催にこぎ着けることができて感慨深いものがあります。せっかくのとても貴重な本物の文化遺産の展覧会です。しっかり広報をしようとブログも新たにつくりました。
●女子美術大学美術館blog ↓展示室風景。国内では大胆な露出展示です。
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 小袖のデザインの歴史には目を見張るものがあります。本展のKIMONOの表記は、それらの持つ価値が「着物」の表意を超え、今まさに国際的な芸術的評価を持つものであるとの認識を表しています。

 小袖は約三百年間に渡って、染めや織り技法とのせめぎ合いを伴って、模様として発想しうるテーマとデザインが文字通り百花繚乱を繰り広げてきました。多くの民族の衣服が体の動きに即した作り方であるのに対し、小袖を含む着物は今でも平面裁断で、衣桁に掛けた状態はまさに一幅の絵画そのものです。

 日本の豊かな四季折々へ向けられた、先達たちの研ぎ澄まされたまなざしの中に、連綿と受け継がれてきた創意工夫を発見することができるでしょう。そして、それらを暮らしの中の芸術へと昇華させる表現力の程に、深い畏敬を感じないわけにはいきません。私たちは、これほど豊穣で奥深い、生活に根ざした芸術表現の歴史を過去に持っていたのだと、小袖のデザインを通して認識を新たにする必要があるでしょう。

↓会場エントランス
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↓ロビーは30展ほどの小袖をA3大でダイレクトスキャンし細部の技法が理解できるように三倍強のスケールに拡大画像をプリントした展示。エプソンのクロスペーパーを使用しているので、あたかも本物の反物かと思うような仕上がりです。
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by fantacl | 2006-05-04 00:13 | 美術と展覧会
美術館博物館のネットによる情報発信のトレンド調べ
美術館博物館のネットによる情報発信のレベルを探ってみました。
業界を先導する大型館の例を引きますが、展示構成、展示品、様々なサービスをかなり徹底的に公開する方向が主流になっていると読み取れます。

◎東京国立博物館の7月開催の「若冲と江戸絵画」展コレクションブログにおける情報の露出には目を見張る物があります。
はてなのサービスを利用して作られた公式なコレクションブログでは公開前71日から一日一作品づつ、展示作品が最大800×967ピクセルの画像で、惜しげもなく公開されています。

ブログに明記してありますが、オープンまでジョー・プライス氏による出展作品109点すべての解説や美術展に関する情報を更新していく計画だということで、すでに7点がお得なティップス解説が付いて大きな画像データーで公開されています。これを見せられ、各出品作ごとのお得情報を事前に読んで勉強させられてしまうことで、さらにワクワクして、期待感が否が応でも高まり、絶対に必見の展覧会だと思わされてしまいます。

●東京国立博物館
■「若冲と江戸絵画」展コレクションブログ各画像の下に"大きい画像はこちらから"をクリックすると、、、

●というわけで、我が女子美アートミュージアムでも美術館ブログを作成しました。
まだまだ情報発信のレベルはこれからですが、、、。
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by fantacl | 2006-04-30 21:43 | ICT & WEB2.0
Lovelyなのはボクなんだけどな〜
ターリー、ビミョウです。
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"かわいい"をテーマにした展覧会企画しようと思ってもいたので、正直、これはやられたと思いました。この時期、札幌までは見に行くことができないのが残念です。
"Lovely" らぶりぃ -北の創造者たち展- 札幌芸術の森美術館4/15-5/28日
HPより 「北の創造者たち」−記念すべき10回目となる今回のテーマは「らぶりぃ」。小さきものの愛らしい顔やまるくふくらかな姿は、ときに、大きなものから受ける印象をはるかにしのぐ感動を与えてくれたりもします。そんなかわいらしさの魅力を知り尽くした北の創造者たちが、 それぞれのらぶりぃ観をもとにハートウォーミングな世界を繰り広げます。

Grumins fun! ミノリン教授のぬいぐるみ講座
 
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by fantacl | 2006-04-23 20:55 | いたずらだ!ターリー
CHIKAKU/四次元との対話
岡本太郎からはじまる日本の現代美術 / キュレーション 伊藤俊治
ヨーロッパ巡回帰国展 CHIKAKU ―四次元との対話―
会場: 川崎市岡本太郎美術館
スケジュール: 2006年04月08日 〜 2006年06月25日
住所: 〒214-0032 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5
電話: 044-900-9898 ファックス: 044-900-9966
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2006年4月8日-6月25日 川崎市岡本太郎美術館 (生田緑地内)

グラーツクンストハウスでの日本EU交流年企画「日本の知覚展」の帰国展。
国際交流基金サイトより、
21世紀に入り、世界的にその独自性が注目される日本の芸術表現の特異な展開を「知覚の変容」という視点からあらたに読み解き、新しい形式で提示する展覧会です。英国の著名な建築家ピーター・クックによるグラーツ、クンストハウスの特異な空間を生かして、展示を行ないます。

●もとになった日本の知覚展
■川崎岡本太郎美術館での展示案内

 本日、内覧会に行ってきました。日本民家園もある生田緑地は今、新緑が萌えてサクラ満開です。それだけでも行く価値は正直あります。

出品作家14人中9人が出席したレセプションでした。この展覧会は、オーストリアのグラーツとスペインのビゴー現代美術館で開催された日本EU交流年企画「日本の知覚展」の帰国展です。会場構成、展示とももう少し各人の分量が欲しいところですが、それをおいても優れた現代美術展の一つであるといえるでしょう。

キュレーター伊藤俊治による15作家の先頭が岡本太郎なのです。岡本太郎は、石垣島や日本各地で取材した白黒写真の展示です。「いやったらしさ」こそ芸術の本来であるとした岡本を日本の現代美術の始まりと位置づける企画について、私自身はもっと読み込む必要があります。
私は、出品者の森脇裕之氏、須田悦弘氏と面識があり、それ故に少し複雑な心境です。

展示では、笠原恵実子の金髪インスタレーション「ラ・シャルム」、やなぎみわのゼラチンシルバーポイントと映像インスタレーション「Girls in Her Sand」、中村哲也のスーパーカー漆「プレミアムユニットシリーズ」に注目しました。
でも、なぜか感銘という点では、新人ではない岡本太郎と中平卓馬の写真シリーズに強く感じ入りました。それは一体なぜでしょう。さらに考える必要がありそうです。

 せっかく向丘遊園駅まで行かれるのでしたら、鶴川にある白州正子、白州次郎の「武相荘」まで足を伸ばされると良いでしょう。
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by fantacl | 2006-04-07 23:06 | 美術と展覧会
藤田嗣治→レオナルドフジタ
[生誕120年 藤田嗣治展 -今、明かされる伝説の画家のすべて]
東京国立近代美術館 3月28日-5月21日
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  近代美術館は混んでいた。少しグレイシュなピンクの壁面に仕上げた展示室。1点目は芸大の指導教官だった黒田清輝へのアンチテーゼとされる卒業時に描いた自画像から始まる。印象派の影響で、影に黒絵具を使って色を濁らせてはならぬという時代。(その認識は、なんと私が絵を描き始めた頃もそのままなわけだ。今もそんなに変わっていないような気がするが、、)

モジリアニやピカソとの出会いから一時期キュビズムへの傾倒があり、パリでの初個展で認められはじめたヘチマのようにぬるっとした女性像へ。徐々に"乳白色の肌"を確立した30代は最もフジタらしい傑作がつづく。私は、1923年「タピスリーの裸婦」や1926年「アトリエの自画像」が理屈無しに好きだ。藤田が色彩や立体の画家ではなく線とフォルムの画家であることが確立した時代でもある。

戦争画のコーナーは一転してダークグレーの一部屋。これらはプロパガンダを通り越し、戦争の無念や無惨を描ききるむしろ巨大で崇高な宗教画。戦後画壇の迫害や政治で解釈された不幸な時代が長かったらしい。絵画というものは文字通り絵空事が持ち前で、描かれたそれそのものを見て感じるしかないのに、画家の思惑を超えて勝手な利用や解釈がまかり通り事がある。近年フジタの戦争画がもつ本来の意味への再認識が進んでいる。

この時代の前後は、いわゆる油画技法の立体感を捉え様とする色面の筆さばきに画風が変化し、個性が後退する。それにしても、皇居の隣、北の丸の近代美術館での開催は、この戦争画を考えるにふさわしい。

一転して、ライトイエローの明るい部屋に子供を中心としたイラストレーションのような画面がつづく65歳以降の後半生は、厳しい画業追求の姿勢から、一旦リタイアしたような感覚が見て取れる。ちょとマセて一癖ありそうな感じの想像の子供の表情は、今なら奈良美智の様。しかし、藤田本来の線とフォルムの画家が復活し、以降、礼拝堂はフレスコ技法で描くが、死ぬまでこの画風は変わらなかった。私は彼は日本画家だったように思う。

最後の部屋は70代に洗礼したキリスト教の礼拝堂を模した仕上がりとなる。およそ60年に及ぶ、まさにドラマな人生と表現バリエーションに富む画業を日本初公開20点を含む約100点で俯瞰する、近年希に見る充実した企画だった。できることなら会期中あと2回は行って、じっくり対峙したいものだ。

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 主催の日経新聞とNHKがこぞって放送。4月1日には、テレビ東京美の巨人が特集。2日はNHKで「パリの異邦人〜画家・藤田嗣治の二十世紀」が放送された。美の巨人は8日に後半が放送予定。

それらの元となる2002年刊行で大宅壮一ノンフィクション賞受賞の近藤史人著「藤田嗣治・異邦人の生涯」は講談社文庫で求めやすくなっている。
▲東京国立近代美術館皇居側にいつの間にかレストランとミュージアムショップが増設されていました・・・って、ここしばらく行っていなかったのがばれますね。

戦争画の解釈に関しては、こちらが参考になる。●戦争を背負った画家/藤田嗣治
藤田概説はwikipediaで、 藤田嗣治と検索してください。

さらに、朝日新聞社の白鳥正夫氏の文化考なぜ開けない藤田嗣治展は、実は朝日新聞が以前、開催に向け随分努力した様子が読み取れます。
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藤田嗣治展
会場: 東京国立近代美術館
スケジュール: 2006年03月28日 〜 2006年05月21日
住所: 〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1
電話: 03-3214-2561 ファックス: 03-3214-2577
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by fantacl | 2006-04-02 21:25 | 美術と展覧会


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