ミノリン教授のクリティカルな日々。いたずらターリーぬいぐるみ日記もいっしょ。 ★4月~9月までのドイツ研究滞在日記を半年遅れで掲載中です。 
by fantacl
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KIMONO小袖にみる華・デザインの世界
 女子美アートミュージアムで桃山から江戸期の着物である小袖を特集した展覧会を開催中です。6月11日までで、火曜日が休館です。実行委員長と館長として2年越しで企画を仕込んできたので、開催にこぎ着けることができて感慨深いものがあります。せっかくのとても貴重な本物の文化遺産の展覧会です。しっかり広報をしようとブログも新たにつくりました。
●女子美術大学美術館blog ↓展示室風景。国内では大胆な露出展示です。
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 小袖のデザインの歴史には目を見張るものがあります。本展のKIMONOの表記は、それらの持つ価値が「着物」の表意を超え、今まさに国際的な芸術的評価を持つものであるとの認識を表しています。

 小袖は約三百年間に渡って、染めや織り技法とのせめぎ合いを伴って、模様として発想しうるテーマとデザインが文字通り百花繚乱を繰り広げてきました。多くの民族の衣服が体の動きに即した作り方であるのに対し、小袖を含む着物は今でも平面裁断で、衣桁に掛けた状態はまさに一幅の絵画そのものです。

 日本の豊かな四季折々へ向けられた、先達たちの研ぎ澄まされたまなざしの中に、連綿と受け継がれてきた創意工夫を発見することができるでしょう。そして、それらを暮らしの中の芸術へと昇華させる表現力の程に、深い畏敬を感じないわけにはいきません。私たちは、これほど豊穣で奥深い、生活に根ざした芸術表現の歴史を過去に持っていたのだと、小袖のデザインを通して認識を新たにする必要があるでしょう。

↓会場エントランス
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↓ロビーは30展ほどの小袖をA3大でダイレクトスキャンし細部の技法が理解できるように三倍強のスケールに拡大画像をプリントした展示。エプソンのクロスペーパーを使用しているので、あたかも本物の反物かと思うような仕上がりです。
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by fantacl | 2006-05-04 00:13 | 美術と展覧会
オラファーエリアソン 影の光 Your light shadow
 原美術館で本日まで開催していました。12時に行ってきました。昨年の11月17日からやっていたのですね。我が身の不勉強を恥じています。品川高輪口から御殿山ラフォーレ方向へ徒歩15分、帰りは南下して御殿山を下り西に回り込んで大崎ゲートシティへ出てきました。
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 オラファーエリアソンの光と影のインスタレーションが10室10点の展示です。光の投下、屈折、反射スペクトル分光の原理現象を丁寧に効果的にインスタレーションとして提示しています。1993年作のBeauty(美)という霧のインスタレーションは特別にプレファブを建て増しして実現しています。大中小三重のアクリルシリンダーにダイクロイックフィルターコーティングが施された、5室の「色彩の空間を包み込むもの」が最も効果的な色彩と光のシンクロしたインスタレーション空間になっていました。

 最後の10室目「単色の部屋と風が吹くコーナー」では、オレンジイエローの単一波長の光に満たされ、人々が色彩を失い完全なモノトーンになっていて、みなさんお互いの顔を見合ったりしながら不思議そうにたたずんでいたのが印象的でした。これは、ロンドンのテートモダンでの「The weather project」2003の時の巨大太陽とおなじ波長の光なのでしょう。

 それにしても、第一室の「beauty、美」は、霧のインスタレーションなのですが、作り出す側の端くれとしては、とても微妙な心境です。確か同じようなインスタレーションは、中谷芙二子という作家が80年代から「霧の彫刻」シリーズとしてやっていました。でも屋外が中心でしたので、虹もありましたが、大地にからむ霧の状況を見せるほうが主眼でした。

 オラファーのは、ブラックアウトした部屋にスポットライト一発で、光のスペクトルを際立たせたところがまーうまくいっているというか、やられたというか。。。
光を扱うものとして、やられた、、、しまった、、、どうしてじぶんがやってなかったの、、、という自責の念で、げんなりした、というのが正直なところです、、。

 「光の影」ではなくて「影の光」と言っているところが意味深です。
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 図録が次回海外でのプロジェクトと一緒に編纂中ということで、ありませんでしたが、出来上がったらお知らせの登録をしてきました。
◎原美術館
原美術館館内の階段ホールの光がなぜかオラファーのインスタレーションのような気がしてきます。
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by fantacl | 2006-03-05 18:59 | 美術と展覧会
その名は、名和晃平 GUSH展
 昨日夕刻に行って参りました。谷中の入り口に建つ元銭湯ですね。銭湯空間がコンテンポラリーのギャラリーになっています。 ★GUSH 展

 一昨日、朝日の夕刊に大きく報じられたのに、17時半からの30分間は私一人でした。世界的といっても間違いのない内容のコンテンポラリーアートを間近で見ることができるというのに、これが日本のコンテンポラリーの状況なのでしょう。

 発泡ポリウレタンのSCUMシリーズが2点、接着剤のクモの糸のグルーシリーズ、それからどうやって描いたのか分からないスタンプのようなドロウイングシリーズです。出品15点くらいですが、価格は要相談のポリウレタンインスタレーション以外は100万円の作品以下8万円まで、ほとんど売れていました。一般の方々の入館状況とは次元の違うアートマーケットでしっかり捕捉されているのでしょう。

 実在を情報化するピクセルやプリズムシリーズに代表される手法が複数の様相で発揮されていました。目の前の実在、現実なのになぜか情報としてみえる重さのない存在に成っているトリックによって、ものの存在や人間の知覚認識のあり方を問い直してくるインパクトを持ってコミュニケートしてきます。
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※写真は、SCAI THE BATHHOUSE外観と正面のガラス窓から無理に撮影した内観。
名和晃平 GUSH 展
場所:SCAI THE BATHHOUSE
日時:1月20日(金)−2月25日(土) 12:00-19:00 日・月・祝日休廊  無料
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by fantacl | 2006-02-17 21:49 | 美術と展覧会
横浜トリエンナーレ2
10/24の記事(一つ前の投稿)は、一緒に美大受験浪人をしていた川俣正に偶然あった経緯から、バイアスがかかって、読みづらいものになってしまい大変失礼しています。

いずれにしても、横浜トリエンナーレは、このところのコンテンポラリーアートがもっとも重視する場のあり方の一つの提示として、興味深いものがあると思います。

私が感じるに、前回のパシフィコ横浜での会場と比較して、予算的に三分の一くらいになっているのではと思わせるくらいの一見したクオリティーです。

でも、前回以上に現代美術が身近になった感じを体験させてくれる展示構成であるとも言えます。

事実、子供達の歓喜は、比較にならないほどだと思うのです。低予算、超短期な設計日程で川俣はどれほど苦労したのだろうかと思ってしまいますが、本人も言っている現場でたたき上げてきた作家として、キュレーション側と作家側の両方の気持ちを理解しつつ、おそらく川俣マジックのフレーバーがかかって、やっと実現した今回の「場」だと思うのです。

みなさん、晴れの土日は是非、横浜トリエンナーレへ!
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追伸:残念な点は、食べ物屋さんがチープすぎだと思うのです。「知」のそもそもは、味覚による食材や料理の選別からだというように、食と味覚をあの広い空間のメジャーな部分に展開して欲しかったです。西側護岸縁にベッタリと狭く押し込められた食ゾーンはいただけません。西側は折角の海も見ることができないし、学園祭の屋台ののりで良しとしたようです。
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by fantacl | 2005-10-28 00:02 | 美術と展覧会
横浜トリエンナーレ
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23日に横浜トリエンナーレに行ってきました。快晴の日曜日だったので山下公園は、人がいっぱいで、ヨコトリ入り口付近も結構にぎやかでした。ドイツと日本の若手アーティストコラボ企画のバスを改造したモブラボというメディアキャンプ展示が来てました。

入り口からメインの倉庫まで延々500メートルくらいダニエルビュランの紅白の三角旗がはためく下を歩きます。最初の倉庫受付でバッタリ総合ディレクターの川俣正氏にあいました。卒業以来25年ぶりでした。


とにかく日曜日なのか子連れが沢山いて、遊園地よろしくアートまみれで遊びに夢中になっていて印象的な光景をくりひろげていました。

まずは、あちこちに置かれた屋代敏博の立体写真ビュアーを面白く覗いて回りました。実に単純でなにこれ?なのですが、彼自身?の回転の軌跡が残像となっている
実にばかばかしいパフォーマンスなのですが、覗いた視界にかえって確かな人の存在、行為の存在を感じてしまう面白い作品だと思いました。携帯電話のムービー機能や小型デジカメを二台連結した立体写真機がこれまたリーズナブルというかチープな感じで、やられたと思うのでした。

ちょっと似た感じではサインウエーブオーケストラのiPodを多用したインスタレーションも、こちらは音響で磁場をつくりだしていました。

それから、奈良義智とgrafのインスタレーションは、ホワイトボックスのあり方にアンチテーゼをとなえているように思えました。まあ良くもあんなに沢山落書きドローイングが繰り出せるものだな〜と感心してしまいます。

いずれにしても、受付すぐの高松次郎の「工事現場の影」再現がこのビエンナーレのかなりの部分を物語っているように思えました。

それにしても、ミュージアムショップはオリジナルのブルーコーングッズもあるものの、ほとんど森美術館の出店だったのはちょっと残念です。参加作家でない村上隆のグッズもごっそりあったりして少し興ざめしました。しかしながら、現在、国内のミュージアムショップで最も充実しているのが森アートミュージアムであることはたしかなのですが、、、、。
横浜City ART Network
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by fantacl | 2005-10-24 23:57 | 美術と展覧会
第6回広島賞がみれる
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明日明後日は広島に出張してきます。進学相談会があるのです。
二日目は、広島市現代美術館を見てきます。

三年ごとにある広島賞受賞者の企画展があります。
第6回ヒロシマ賞受賞記念展は、今年はイラン人の《 シリン・ネシャット展》です。
イスラム社会で抑圧される女性をテーマにした写真です。

偶然なのか計画なのか、他の企画展2題も女性アーティストの企画です。
マリ=アンジュ・ギュミノ展 《 Nevers Hiroshima》
クララ・アルテール展   《 戦争か、平和か? 》

戦後60年の広島は女性三人の現代美術を特集しています。

三年前の広島にも行きました。その時の広島賞はその後ニューヨークのワールドトレードセンター跡地に建てるモニュメント的な建築コンペで一位を取ったダニエル・リベンスキッドでした。

広島市現代美術館の常設用ギャラリー5部屋に対して、5作品の建築インスタレーションは、実現した氏の建築を約10分の1の紙(ハニカムボード)で表現したスケールモデルでしたが、どんな現代美術作家の提示よりもインパクトがあり圧巻でした。近年見た展示では、最も忘れがたいものの一つです。
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 シリン・ネシャットの映像インスタレーションは、非常に説得力を持っていました。
会場にはおよそ8つほどの映像空間が設営されていました。典型的な映像空間は横5m×高4mほどのスクリーンが部屋の左右それぞれに設置され、中間の壁面は床も天井も黒でブラックアウトされています。ちょうど長さ10mで黒いのボックスの両端を白いスクリーンにした格好です。

彼女が映像作家としてデビューした1998年昨の「荒れ狂う」は、その左右のスクリーンを巧みに使った10分ほどのムービーです。箱の真ん中側面から入った観客は、右スクリーンにイスラムの民族音楽を朗々と歌う白シャツ姿の堂々とした男性を見ます。彼の歌に数十人の男性の観客が聞き入り拍手をしたりします。

それとは対照的に左側のスクリーンには、黒いチャドルを頭からすっぽりかぶった女性が誰もいない観客席を前に背を向けて老婆のように佇んでいます。右の男の歌がおわると、今度はチャドルの女性の番です。

彼女は、歌詞のない高低様々な、時に鳥のさえずりや地からわき起こるうなり声のような旋律を体から絞り出しはじめます。観客のいない空間に向かって歌詞のない、しかし豊穣な音響を体から絞り出すパフォーマンスは、そのまま自然と繋がり宇宙と交信しているようにも聞こえます。

イスラム社会の戒律や慣習によって隔たった男女のコントラストを9分の映像と、左右の壁に同時に投影するというインスタレーション手法によって、見る者に強烈に伝達することに成功しています。

他のコンテンツも、説明したいのですが、説明に時間がかかりそうです。2001年作の「パッセージ」は、砂漠にうごめく20人ほどのチャドルの塊がなんとも不気味に、宗教文化という名の価値観によって行動を規定される人間の不自由さをダイレクトに伝えていて、すくんでしまうものがありました。
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by fantacl | 2005-08-09 22:34 | 美術と展覧会


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