ミノリン教授のクリティカルな日々。いたずらターリーぬいぐるみ日記もいっしょ。 ★4月~9月までのドイツ研究滞在日記を半年遅れで掲載中です。 
by fantacl
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その名は、名和晃平 GUSH展
 昨日夕刻に行って参りました。谷中の入り口に建つ元銭湯ですね。銭湯空間がコンテンポラリーのギャラリーになっています。 ★GUSH 展

 一昨日、朝日の夕刊に大きく報じられたのに、17時半からの30分間は私一人でした。世界的といっても間違いのない内容のコンテンポラリーアートを間近で見ることができるというのに、これが日本のコンテンポラリーの状況なのでしょう。

 発泡ポリウレタンのSCUMシリーズが2点、接着剤のクモの糸のグルーシリーズ、それからどうやって描いたのか分からないスタンプのようなドロウイングシリーズです。出品15点くらいですが、価格は要相談のポリウレタンインスタレーション以外は100万円の作品以下8万円まで、ほとんど売れていました。一般の方々の入館状況とは次元の違うアートマーケットでしっかり捕捉されているのでしょう。

 実在を情報化するピクセルやプリズムシリーズに代表される手法が複数の様相で発揮されていました。目の前の実在、現実なのになぜか情報としてみえる重さのない存在に成っているトリックによって、ものの存在や人間の知覚認識のあり方を問い直してくるインパクトを持ってコミュニケートしてきます。
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※写真は、SCAI THE BATHHOUSE外観と正面のガラス窓から無理に撮影した内観。
名和晃平 GUSH 展
場所:SCAI THE BATHHOUSE
日時:1月20日(金)−2月25日(土) 12:00-19:00 日・月・祝日休廊  無料
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by fantacl | 2006-02-17 21:49 | 美術と展覧会
横浜トリエンナーレ2
10/24の記事(一つ前の投稿)は、一緒に美大受験浪人をしていた川俣正に偶然あった経緯から、バイアスがかかって、読みづらいものになってしまい大変失礼しています。

いずれにしても、横浜トリエンナーレは、このところのコンテンポラリーアートがもっとも重視する場のあり方の一つの提示として、興味深いものがあると思います。

私が感じるに、前回のパシフィコ横浜での会場と比較して、予算的に三分の一くらいになっているのではと思わせるくらいの一見したクオリティーです。

でも、前回以上に現代美術が身近になった感じを体験させてくれる展示構成であるとも言えます。

事実、子供達の歓喜は、比較にならないほどだと思うのです。低予算、超短期な設計日程で川俣はどれほど苦労したのだろうかと思ってしまいますが、本人も言っている現場でたたき上げてきた作家として、キュレーション側と作家側の両方の気持ちを理解しつつ、おそらく川俣マジックのフレーバーがかかって、やっと実現した今回の「場」だと思うのです。

みなさん、晴れの土日は是非、横浜トリエンナーレへ!
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追伸:残念な点は、食べ物屋さんがチープすぎだと思うのです。「知」のそもそもは、味覚による食材や料理の選別からだというように、食と味覚をあの広い空間のメジャーな部分に展開して欲しかったです。西側護岸縁にベッタリと狭く押し込められた食ゾーンはいただけません。西側は折角の海も見ることができないし、学園祭の屋台ののりで良しとしたようです。
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by fantacl | 2005-10-28 00:02 | 美術と展覧会
横浜トリエンナーレ
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23日に横浜トリエンナーレに行ってきました。快晴の日曜日だったので山下公園は、人がいっぱいで、ヨコトリ入り口付近も結構にぎやかでした。ドイツと日本の若手アーティストコラボ企画のバスを改造したモブラボというメディアキャンプ展示が来てました。

入り口からメインの倉庫まで延々500メートルくらいダニエルビュランの紅白の三角旗がはためく下を歩きます。最初の倉庫受付でバッタリ総合ディレクターの川俣正氏にあいました。卒業以来25年ぶりでした。


とにかく日曜日なのか子連れが沢山いて、遊園地よろしくアートまみれで遊びに夢中になっていて印象的な光景をくりひろげていました。

まずは、あちこちに置かれた屋代敏博の立体写真ビュアーを面白く覗いて回りました。実に単純でなにこれ?なのですが、彼自身?の回転の軌跡が残像となっている
実にばかばかしいパフォーマンスなのですが、覗いた視界にかえって確かな人の存在、行為の存在を感じてしまう面白い作品だと思いました。携帯電話のムービー機能や小型デジカメを二台連結した立体写真機がこれまたリーズナブルというかチープな感じで、やられたと思うのでした。

ちょっと似た感じではサインウエーブオーケストラのiPodを多用したインスタレーションも、こちらは音響で磁場をつくりだしていました。

それから、奈良義智とgrafのインスタレーションは、ホワイトボックスのあり方にアンチテーゼをとなえているように思えました。まあ良くもあんなに沢山落書きドローイングが繰り出せるものだな〜と感心してしまいます。

いずれにしても、受付すぐの高松次郎の「工事現場の影」再現がこのビエンナーレのかなりの部分を物語っているように思えました。

それにしても、ミュージアムショップはオリジナルのブルーコーングッズもあるものの、ほとんど森美術館の出店だったのはちょっと残念です。参加作家でない村上隆のグッズもごっそりあったりして少し興ざめしました。しかしながら、現在、国内のミュージアムショップで最も充実しているのが森アートミュージアムであることはたしかなのですが、、、、。
横浜City ART Network
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by fantacl | 2005-10-24 23:57 | 美術と展覧会
5つの展覧会巡り
 昨日は、家族で都内展覧会巡りでした。最初に上野の東京都美術館「ルーブルコレクション・古代エジプト展」、次は芸大美術館の「D/J Brand」という芸大ドイツ留学組特集の企画展。さらに正木記念館で「Rosa(pink)」というこれまたドイツバウハウス大学との若手現代美術のコラボ企画展。池之端の下町をぬけて、下町の兄ちゃん達が担ぐ御輿の脇をすり抜けつつ、根津から六本木ヒルズ森美術館へカルチャーワープ!

52階の森アーツセンターで東京シティービュー、ちょうど夕焼けをウオッチ!それ「ダビンチのレスター手稿」展。さらに53階の森アートミュージアムで「杉本博司・時間の終わり」大回顧展と12時から夜8時まで、東京の夜景も満月も満喫!まるで海外旅行の美術館巡りのような一日でした。

 芸大の展示は日本におけるドイツ年がらみですね。大先輩格では東山魁夷や脇田和から始まって、佐藤一郎、渡辺好明、今義則、藤幡正樹までおよそ25人のドイツ留学経験のある現代美術作家を特集していました。
こんなにドイツ留学組がいたなんて!われわれの一年下が川俣正で、1984年にヨゼフボイスが芸大で講演会してるのですね。その時の講義に使った黒板がアクリルでカバーされてうやうやしく展示されていました。

 たしかこの美術館は六角鬼丈教授設計で、3階と地下2階のギャラリーは、現代美術にぴったりのホワイトキューブでとてもうらやましい空間です。中でも、今義則の「ドペルゲンガー」という写真と蝋人形のインスタレーションそれから増山裕之のフランクフルトから日本へ一つながりの12mの航空写真が圧巻でした。先端の教授、藤幡正樹のインタラクティブ映像は、インタラクティブ作品のスタンダードで、すでに歴史にきざまれたものですね。
ミュージアムショップもそこそこ充実しているし、特に陶芸作品の販売が半分くらいあるのが他館と違うところかな。作家がいくらでもいる層の厚みを感じさせます。でもちょっと人選が偏っているかな。

 森美術館のダビンチ手稿はなんとビルゲイツ夫妻のコレクションだって。ダビンチ作品で個人コレクションになっているのはこれっきりという話しです。ほぼA4サイズのノートの裏表38ページにわたって天体、地核、水、治水に関する観察と思索がぎっしり詰まっています。月の満ち欠けや地球のマントル対流説、流体力学についての考察はガリレオの100年前ということで、世界で最初に一人でそれらについて深く考えて、ほぼ真理を身の回りの観察と直感でやっているところには、もう、どう表現して良いのやら、、、そしてそれだけ科学している本人が絵画こそ人間の知的ヒエラルキーの最も高次のものだといっている、、、、言葉を失うばかりです、アウアウ、、、。実物展示は手稿保護のためになんと10ルックス!でそれも一分ごとに絞られて暗くなってしまうのです。

 それにしても杉本博司について、もっと知っておくべきだった。53階2000平米全フロアーを使った大個展。カンチョウヤマザキは打ちのめされた!森美術館での個展は杉本が初めてだって。9月15日発行のブルータスが特集してます。

ニューヨーク自然史博物館などのジオラマ展示を白黒8×10で撮った「Dioramas」シリーズは知っていたけど、海の水平線を撮った「Seascapes」や「Portraits」はしっかり見たことがなかった。展示空間構成の隙のなさも作品と同等に重要だということ、特に「Seascapes」のインスタレーションは神がかりの域ですね。空間、音響、画像、能舞台という物体の関係性、というかこれらの要素が渾然一体となった場そのもの、、、。半日歩きづめで、よたよたしながら観るものではありません。一週間前から体調コントロールして対峙すべきものです。観るのに体力と精神力がいります。どうしても集中してしまうので確実に頭痛がしてきます。

ルーブル美術館所蔵 古代エジプト展
芸大美術館Rosaあらわになる色〜ピンク
D/J Brand
『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』「レスター手稿」日本初公開
杉本博司「時間の終わり」展
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by fantacl | 2005-09-19 11:55 | 美術と展覧会
第6回広島賞がみれる
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明日明後日は広島に出張してきます。進学相談会があるのです。
二日目は、広島市現代美術館を見てきます。

三年ごとにある広島賞受賞者の企画展があります。
第6回ヒロシマ賞受賞記念展は、今年はイラン人の《 シリン・ネシャット展》です。
イスラム社会で抑圧される女性をテーマにした写真です。

偶然なのか計画なのか、他の企画展2題も女性アーティストの企画です。
マリ=アンジュ・ギュミノ展 《 Nevers Hiroshima》
クララ・アルテール展   《 戦争か、平和か? 》

戦後60年の広島は女性三人の現代美術を特集しています。

三年前の広島にも行きました。その時の広島賞はその後ニューヨークのワールドトレードセンター跡地に建てるモニュメント的な建築コンペで一位を取ったダニエル・リベンスキッドでした。

広島市現代美術館の常設用ギャラリー5部屋に対して、5作品の建築インスタレーションは、実現した氏の建築を約10分の1の紙(ハニカムボード)で表現したスケールモデルでしたが、どんな現代美術作家の提示よりもインパクトがあり圧巻でした。近年見た展示では、最も忘れがたいものの一つです。
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 シリン・ネシャットの映像インスタレーションは、非常に説得力を持っていました。
会場にはおよそ8つほどの映像空間が設営されていました。典型的な映像空間は横5m×高4mほどのスクリーンが部屋の左右それぞれに設置され、中間の壁面は床も天井も黒でブラックアウトされています。ちょうど長さ10mで黒いのボックスの両端を白いスクリーンにした格好です。

彼女が映像作家としてデビューした1998年昨の「荒れ狂う」は、その左右のスクリーンを巧みに使った10分ほどのムービーです。箱の真ん中側面から入った観客は、右スクリーンにイスラムの民族音楽を朗々と歌う白シャツ姿の堂々とした男性を見ます。彼の歌に数十人の男性の観客が聞き入り拍手をしたりします。

それとは対照的に左側のスクリーンには、黒いチャドルを頭からすっぽりかぶった女性が誰もいない観客席を前に背を向けて老婆のように佇んでいます。右の男の歌がおわると、今度はチャドルの女性の番です。

彼女は、歌詞のない高低様々な、時に鳥のさえずりや地からわき起こるうなり声のような旋律を体から絞り出しはじめます。観客のいない空間に向かって歌詞のない、しかし豊穣な音響を体から絞り出すパフォーマンスは、そのまま自然と繋がり宇宙と交信しているようにも聞こえます。

イスラム社会の戒律や慣習によって隔たった男女のコントラストを9分の映像と、左右の壁に同時に投影するというインスタレーション手法によって、見る者に強烈に伝達することに成功しています。

他のコンテンツも、説明したいのですが、説明に時間がかかりそうです。2001年作の「パッセージ」は、砂漠にうごめく20人ほどのチャドルの塊がなんとも不気味に、宗教文化という名の価値観によって行動を規定される人間の不自由さをダイレクトに伝えていて、すくんでしまうものがありました。
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by fantacl | 2005-08-09 22:34 | 美術と展覧会


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