ミノリン教授のクリティカルな日々。いたずらターリーぬいぐるみ日記もいっしょ。 ★4月~9月までのドイツ研究滞在日記を半年遅れで掲載中です。 
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越後妻有アートトリエンナーレへ-1
金曜日、土曜日と強行軍で新潟は十日町市と津南町エリアで開かれている、妻有トリエンナーレへ行ってきました。金曜の朝7時相模原出発で11時半には、関越の越後川口に着きました。美術館の若い鈴木君と桜井さん、それとこのツアー発起人の彫刻の平戸先生とわたしの四人です。真夏といっても関東は、曇りや雨が結構ありましたが、こちらは8月はほとんど雨が降っていないとのこと、標高と空気のきれいさと相まって、夏らしい青空のアートツアーでした。先ずは、北の下条駅に近い神明水辺公園エリアから始め、徐々に南下する計画です。
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・関越をひたすら北上。関東と違ってすっかり晴れ渡り緑や田が美しい。
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つづく、、、
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by fantacl | 2006-08-27 15:15 | 美術と展覧会
スイスのあとはアフリカへ旅立つ
6月8日の記事の続きです。
西麻布のビクトリノックス社をあとに、徒歩にて六本木ヒルズは森美術館へ。アフリカリミックス展なのです。途中、アジアンプリンセスだったかオリエンタルプリンセスだったかな?ココナッツホワイトソースのパスタをば仕込んで、いざ53階へ出陣。
単純に点数多く、広く、見ごたえのあるインスタレーションも10展示くらいあって、3時間の対談後の身にはキツイ観覧となりました。感想はエネルギー充填してまた後日。というか、あと1〜2回、見返さないと軽々にはかけない様子、、、。
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いつ来ても「美の殿堂への入り口であるゾ」と宣言しているような吹き抜け空間、、、。でも今回は、エスカレーターまわりにもオブジェやインスタレーションが所狭しと陣取って、アフリカコンテンポラリーのエネルギッシュな様を醸し出しています。
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ダ・ビンチコード展は一月前にみています。映画予告のようであり、映像装置を駆使した展示は、ほぼ映画配給会社ソニーピクチャーズとプロダクトメーカーであるソニーのプロモーションだという印象が強いです。
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by fantacl | 2006-06-15 23:00 | 美術と展覧会
横浜美術館の観客サービス
横浜美術館のノグチ展とコレクション展を見てきました。今回は、展覧会の内容の話ではなく、美術館の顧客対応について二三気の付いたことを書きます。

現在開催中のイサムノグチ・世界とつながる彫刻展は、さすがにあちこち17箇所からの借用による73点の展覧会ですから撮影禁止でした。でも、コレクション展(収蔵作品展)はフラッシュ無しの撮影がOKだったので、展示室風景を参考に撮ってきました。クレーやエルンスト、ピカソやダリも撮れました。
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これとは別に驚いたのは、展示室がやけに明るい点です。開国時や明治の水彩も掛けてある部屋や、下村観山や今村紫紅などの絹本着彩など退色しやすい日本画展示もやけにルックスが高いのが気になりました。その分、観客にとっては見やすいのですが、クレーの水彩のようなビミョウな作品もしかりでこちらが心配してしまうほどです。よっぽど紫外線と熱線カット性能の高い照明を使っているのかもしれません。

都合で4時近くに入館したので閉館時間が気になりましたが、平日は17時ではなく18時ということで、やれやれしっかり鑑賞することができました。金曜は20時までの対応だそうです。
数年前は確か17時だったような記憶が、、、ですが、はっきりしません。雪山館長が朝日新聞に「美術館の経済学」というコラムを書いていましたから、新館長になってからの対応かもしれません。

コレクション展の部屋には、主なところにゆったりした平イスとその部屋の作品にちなんだ図録や画集が置いてあり、自由に閲覧できる気配りも以前はなかったと思うのです。横浜美術館の経営実態は知りませんが、営業目標がpdf書類でサイトからダウンロード出来るようになっていて、仕切りに改革改善がうたわれている様子をうかがい知ることが出来ます。今までにない合理化と競争原理が顧客サービスを変化させているのではないかなと思った次第でした。

あと、ノグチ展に関していえば、担当学芸員と市民ボランティアがつくるウイークリーブログというのも公開されています。
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上の写真は、館の内外からアクセス可能な美術情報センター。美術関連図書、図録、様々なリファレンスが集積されています。デジタルアーカイブの利用も可能。ノグチ関連書籍を特集中でした。いわゆる他館のチラシやポスター等の広報物はすべてここに集約されています。
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by fantacl | 2006-05-16 21:54 | 美術と展覧会
CHIKAKU/四次元との対話
岡本太郎からはじまる日本の現代美術 / キュレーション 伊藤俊治
ヨーロッパ巡回帰国展 CHIKAKU ―四次元との対話―
会場: 川崎市岡本太郎美術館
スケジュール: 2006年04月08日 〜 2006年06月25日
住所: 〒214-0032 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5
電話: 044-900-9898 ファックス: 044-900-9966
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2006年4月8日-6月25日 川崎市岡本太郎美術館 (生田緑地内)

グラーツクンストハウスでの日本EU交流年企画「日本の知覚展」の帰国展。
国際交流基金サイトより、
21世紀に入り、世界的にその独自性が注目される日本の芸術表現の特異な展開を「知覚の変容」という視点からあらたに読み解き、新しい形式で提示する展覧会です。英国の著名な建築家ピーター・クックによるグラーツ、クンストハウスの特異な空間を生かして、展示を行ないます。

●もとになった日本の知覚展
■川崎岡本太郎美術館での展示案内

 本日、内覧会に行ってきました。日本民家園もある生田緑地は今、新緑が萌えてサクラ満開です。それだけでも行く価値は正直あります。

出品作家14人中9人が出席したレセプションでした。この展覧会は、オーストリアのグラーツとスペインのビゴー現代美術館で開催された日本EU交流年企画「日本の知覚展」の帰国展です。会場構成、展示とももう少し各人の分量が欲しいところですが、それをおいても優れた現代美術展の一つであるといえるでしょう。

キュレーター伊藤俊治による15作家の先頭が岡本太郎なのです。岡本太郎は、石垣島や日本各地で取材した白黒写真の展示です。「いやったらしさ」こそ芸術の本来であるとした岡本を日本の現代美術の始まりと位置づける企画について、私自身はもっと読み込む必要があります。
私は、出品者の森脇裕之氏、須田悦弘氏と面識があり、それ故に少し複雑な心境です。

展示では、笠原恵実子の金髪インスタレーション「ラ・シャルム」、やなぎみわのゼラチンシルバーポイントと映像インスタレーション「Girls in Her Sand」、中村哲也のスーパーカー漆「プレミアムユニットシリーズ」に注目しました。
でも、なぜか感銘という点では、新人ではない岡本太郎と中平卓馬の写真シリーズに強く感じ入りました。それは一体なぜでしょう。さらに考える必要がありそうです。

 せっかく向丘遊園駅まで行かれるのでしたら、鶴川にある白州正子、白州次郎の「武相荘」まで足を伸ばされると良いでしょう。
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by fantacl | 2006-04-07 23:06 | 美術と展覧会
藤田嗣治→レオナルドフジタ
[生誕120年 藤田嗣治展 -今、明かされる伝説の画家のすべて]
東京国立近代美術館 3月28日-5月21日
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  近代美術館は混んでいた。少しグレイシュなピンクの壁面に仕上げた展示室。1点目は芸大の指導教官だった黒田清輝へのアンチテーゼとされる卒業時に描いた自画像から始まる。印象派の影響で、影に黒絵具を使って色を濁らせてはならぬという時代。(その認識は、なんと私が絵を描き始めた頃もそのままなわけだ。今もそんなに変わっていないような気がするが、、)

モジリアニやピカソとの出会いから一時期キュビズムへの傾倒があり、パリでの初個展で認められはじめたヘチマのようにぬるっとした女性像へ。徐々に"乳白色の肌"を確立した30代は最もフジタらしい傑作がつづく。私は、1923年「タピスリーの裸婦」や1926年「アトリエの自画像」が理屈無しに好きだ。藤田が色彩や立体の画家ではなく線とフォルムの画家であることが確立した時代でもある。

戦争画のコーナーは一転してダークグレーの一部屋。これらはプロパガンダを通り越し、戦争の無念や無惨を描ききるむしろ巨大で崇高な宗教画。戦後画壇の迫害や政治で解釈された不幸な時代が長かったらしい。絵画というものは文字通り絵空事が持ち前で、描かれたそれそのものを見て感じるしかないのに、画家の思惑を超えて勝手な利用や解釈がまかり通り事がある。近年フジタの戦争画がもつ本来の意味への再認識が進んでいる。

この時代の前後は、いわゆる油画技法の立体感を捉え様とする色面の筆さばきに画風が変化し、個性が後退する。それにしても、皇居の隣、北の丸の近代美術館での開催は、この戦争画を考えるにふさわしい。

一転して、ライトイエローの明るい部屋に子供を中心としたイラストレーションのような画面がつづく65歳以降の後半生は、厳しい画業追求の姿勢から、一旦リタイアしたような感覚が見て取れる。ちょとマセて一癖ありそうな感じの想像の子供の表情は、今なら奈良美智の様。しかし、藤田本来の線とフォルムの画家が復活し、以降、礼拝堂はフレスコ技法で描くが、死ぬまでこの画風は変わらなかった。私は彼は日本画家だったように思う。

最後の部屋は70代に洗礼したキリスト教の礼拝堂を模した仕上がりとなる。およそ60年に及ぶ、まさにドラマな人生と表現バリエーションに富む画業を日本初公開20点を含む約100点で俯瞰する、近年希に見る充実した企画だった。できることなら会期中あと2回は行って、じっくり対峙したいものだ。

      *   *   *   *   *   *
 主催の日経新聞とNHKがこぞって放送。4月1日には、テレビ東京美の巨人が特集。2日はNHKで「パリの異邦人〜画家・藤田嗣治の二十世紀」が放送された。美の巨人は8日に後半が放送予定。

それらの元となる2002年刊行で大宅壮一ノンフィクション賞受賞の近藤史人著「藤田嗣治・異邦人の生涯」は講談社文庫で求めやすくなっている。
▲東京国立近代美術館皇居側にいつの間にかレストランとミュージアムショップが増設されていました・・・って、ここしばらく行っていなかったのがばれますね。

戦争画の解釈に関しては、こちらが参考になる。●戦争を背負った画家/藤田嗣治
藤田概説はwikipediaで、 藤田嗣治と検索してください。

さらに、朝日新聞社の白鳥正夫氏の文化考なぜ開けない藤田嗣治展は、実は朝日新聞が以前、開催に向け随分努力した様子が読み取れます。
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藤田嗣治展
会場: 東京国立近代美術館
スケジュール: 2006年03月28日 〜 2006年05月21日
住所: 〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1
電話: 03-3214-2561 ファックス: 03-3214-2577
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by fantacl | 2006-04-02 21:25 | 美術と展覧会
KIMONO 小袖にみる華・デザインの世界展@JAM
女子美アートミュージアム4月〜6月は着物の展覧会です。
室町から江戸期の小袖の特集です。ちょっと遠いですが、ぜひお越し下さい。
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名称:「KIMONO 小袖にみる華・デザインの世界」展
女子美術大学美術館ブログ 
 
開催趣旨
女子美術大学美術館では、近世の小袖41領と裂6点を展示します。小袖とは現在の着物の祖型となるもので、この形態は室町末期から桃山時代にかけて完成しました。その後、江戸時代には様々な染織技法が用いられ、小袖の限られた形態の中に、多彩で華やかなデザインの世界が展開されました。
本展では、近世の小袖のデザインと表現技法に焦点を当て、テーマ「友禅の華」「詩歌の華」「吉祥の華」「絞繍の華」「雅の華」「風景の華」「桃山繍箔の華」に添って展示を行います。小袖にみる華の模様をもとに、刺繍・染織技法・デザインの変遷をたどりながら、そこに込められた人々の美意識や願い、遊び心を読み取っていただこうという企画です。当時の優れたデザイン力と、完成度の高い工芸技術で制作された小袖の美を、鑑賞していただけることと思います。

主催 女子美術大学美術館
共催 女子美術大学研究所
監修 長崎 巌(共立女子大学教授)

協力 カネボウ株式会社、共立女子大学、国立能楽堂、泉屋博古館分館、東京国立博物館、遠山記念館
後援(予定) 相模原市、相模原市教育委員会、神奈川新聞社、財団法人日本ファッション協会、服飾文化学会、文化財保存修復学会、文化庁

開催期間 平成18年4月28日(金) — 6月11日(日) 39日間
       休館日 火曜日
       開館時間 10:00〜17:00 (入館 16:30まで)

会場 女子美アートミュージアム
 住所:〒228-8538 相模原市麻溝台1900 女子美術大学10号館1階
 交通:小田急線相模大野駅より、バス(神奈川中央交通)で女子美術大学行き、終点下車(約20分) ℡:042−778−6801 (直通)
 女子美術大 http://www.joshibi.ac.jp/jam
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★シンポジウムなど関連企画情報はこちら・・・
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by fantacl | 2006-03-31 11:26 | 美術と展覧会
絵本原画の奥深さ
 東京駅大丸美術館で始まった「 絵本作家ワンダーランド 世界の絵本作家展II」に初日の夕方行ってきました。 世界の絵本作家展II 絵本作家ワンダーランド
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入ってすぐにバージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』の原画が8点あり、目が釘付けになってしまいました。原画は絵本と同寸でこれまた小さいのです。そして、ビルに囲まれてしまったおうちは3.5センチほどと本当にちいさいおうちなのです。そのかわいらしいおうちが最後に引っ越した丘には昔いた丘のようにリンゴの木が満開なのでした。(桜かと思いましたがリンゴの木でした)
原画は、ケント紙風の紙の上に描かれ、岩波のシリーズで見るよりも遥かに深みを持った水彩の幾重にも重なる密度が豊かなグラデーションを見せていました。
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さわやかなユーモアを漂わせるジョン・バーニンガムをへて、デッサン力抜群のガブリエル・バンサンの「アンジュール・ある犬の物語」は、スピード感ある極少のストロークで全てを描ききります。

12年前に、ほぼ絵本読みの子育てを終えてしまった私は知りませんでしたが、日本人作家の荒井良二、酒井駒子、出久根育らの新しい仕事にもとても興奮しました。
これからは、自分のためにゆっくり絵本を楽しむ機会を増やしていきたいと思いました。
荒井良二は、大きな国際賞を受賞して注目されたそうです。絵は、長新太と漫画家の谷岡ヤスジをあわせたような屈託のないタッチ。絵や人の感覚空間の楽しさと自由さをおおいに感じさせてくれます。荒井良二オフィシャルHP

1940年代作から2004年まで14作家、約180点の原画が展示されています。

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by fantacl | 2006-03-24 12:41 | 美術と展覧会
山口勝弘展@鎌倉近代美術館
山口勝弘&鎌倉近美のモダニズムを包み込むものは?
(現在、茨城県立美術館でも開催中『「実験工房」からテアトリーヌまで』
会場: 茨城県近代美術館
スケジュール: 2006年04月08日 〜 2006年05月14日
住所: 〒310-0851 茨城県水戸市千波町東久保666‐1
電話: 029-243-5111 ファックス: 029-243-9992

 開催中の山口勝弘「実験工房からテアトリーヌまで」展に行ってきました。山口勝弘氏が日本のメディアアートの先駆けであることは言うまでもありませんが、戦後初の公立近代美術館として開館した築55年になる神奈川県立近代美術館鎌倉館内にそれらが内包された展示であることにも、おおいに興味を覚えました。日本のモダニズム建築の先駆け鎌倉近美の成立と歴史、その白箱が山口勝弘の実験おもちゃ箱になっていたという趣です。
                ☆神奈川近代美術館☆26日まで開催。
(池端の桜越しに神奈川近代美術館鎌倉館を望む。20日のソメイヨシノ。)
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 展示は、氏の造形活動全体を回顧しています。1940年代後半の絵画作品から50年代のヴィットリーヌ(エンボスガラス板で覆った抽象絵画、オプアートともとれるし、インタラクティブアートの先駆けとも位置づけられる。)、金網やアクリル蛍光灯など素材応用の実験的シリーズ、60年代のハプニングから70年万博をへてビデオアートへとつながります。

 最新作2004年の「テアトリーヌ」シリーズでは、時代が50年まえにフィードバックした印象です。構図やテーマなど初期の絵画作品世界とほぼ同じ地点に戻ったように感じました。それはまさに顔や宇宙をテーマとした手描きで、つまり積極的に排除してきたはずの手業による絵画表現への先祖帰りです。ペインティングをスライドにしてLEDを透かしたスクリーン上にオートスライドする映像インスタレーションもありましたが、主な表現テクニックはペインティングそのものです。
(写真は鎌倉館の中庭。中央はイサムノグチの「こけし」。)
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 50年代から2000年までの50年間の永きにわたり一貫して手業を排除し、無機質で機械的、オートマティックに現れる原理現象を組み合わせ応用したシリーズ展開が中心でした。その先進性は日本の現代美術を牽引してきました。
それが70歳以降の近作では、8号くらいのキャンバスに原色のアクリルを水彩のように薄めたタッチで極めてオーガニックなフォルムをかきなぐっているのです。

 わたしは、山口勝弘の50年におよぶ実験造形の業績は、前後5年づつのオーガニックな志向に挟まれた二重構造の内側部分であったように思うのです。それらがル・コルビジェに師事した坂倉準三設計による鎌倉近美の、おそらく55年前は強烈にセンセーショナルにモダンなホワイトボックス建築に包まれ、その建物は、鶴岡八幡宮と古都鎌倉の地理的にも歴史的にも極めて有機的な環境に内包されているといった、モダンを超えた入れ子を感じないわけにはいきませんでした。
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More つづく・・・
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by fantacl | 2006-03-22 09:52 | 美術と展覧会
オラファーエリアソン 影の光 Your light shadow
 原美術館で本日まで開催していました。12時に行ってきました。昨年の11月17日からやっていたのですね。我が身の不勉強を恥じています。品川高輪口から御殿山ラフォーレ方向へ徒歩15分、帰りは南下して御殿山を下り西に回り込んで大崎ゲートシティへ出てきました。
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 オラファーエリアソンの光と影のインスタレーションが10室10点の展示です。光の投下、屈折、反射スペクトル分光の原理現象を丁寧に効果的にインスタレーションとして提示しています。1993年作のBeauty(美)という霧のインスタレーションは特別にプレファブを建て増しして実現しています。大中小三重のアクリルシリンダーにダイクロイックフィルターコーティングが施された、5室の「色彩の空間を包み込むもの」が最も効果的な色彩と光のシンクロしたインスタレーション空間になっていました。

 最後の10室目「単色の部屋と風が吹くコーナー」では、オレンジイエローの単一波長の光に満たされ、人々が色彩を失い完全なモノトーンになっていて、みなさんお互いの顔を見合ったりしながら不思議そうにたたずんでいたのが印象的でした。これは、ロンドンのテートモダンでの「The weather project」2003の時の巨大太陽とおなじ波長の光なのでしょう。

 それにしても、第一室の「beauty、美」は、霧のインスタレーションなのですが、作り出す側の端くれとしては、とても微妙な心境です。確か同じようなインスタレーションは、中谷芙二子という作家が80年代から「霧の彫刻」シリーズとしてやっていました。でも屋外が中心でしたので、虹もありましたが、大地にからむ霧の状況を見せるほうが主眼でした。

 オラファーのは、ブラックアウトした部屋にスポットライト一発で、光のスペクトルを際立たせたところがまーうまくいっているというか、やられたというか。。。
光を扱うものとして、やられた、、、しまった、、、どうしてじぶんがやってなかったの、、、という自責の念で、げんなりした、というのが正直なところです、、。

 「光の影」ではなくて「影の光」と言っているところが意味深です。
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 図録が次回海外でのプロジェクトと一緒に編纂中ということで、ありませんでしたが、出来上がったらお知らせの登録をしてきました。
◎原美術館
原美術館館内の階段ホールの光がなぜかオラファーのインスタレーションのような気がしてきます。
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by fantacl | 2006-03-05 18:59 | 美術と展覧会
ニューヨーク・バーク・コレクション展
「日本の美 三千年の輝き ニューヨーク・バーク・コレクション展」
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 26日、雨の中をいって参りました。東京都美術館で残り少ない3月5日まで開催中です。正直、美大の卒業製作点を目指していったのですが、芸大はお昼でおしまい、かろうじてタマビの洋画と日本画を見れたのみ、、、。ということで、ついでに見てきたのですが、認識を新たにしました。

伊藤若冲《月下白梅図》  曾我蕭白《石橋図》

 抱一や若冲があるのです。若沖の月下白梅図は花弁のご粉が随分剥落していますが、それがかえって、すけたような感じを醸しだしていてさらに空間の奥行きが増したように見えます。でもしばらく凝視していると、複雑に入り組んだ枝と梅花の重なりの中に一種のイリュージョンとおぼしき省略や、本人も訳が分からなくなってしまったのではないかとおぼしき箇所が散見できます。会場のルックスを抑えた展示空間では目が痛くなってしまうので、図録を買い求め表紙に拡大された図版を家で心おきなく眺めてみて下さい。

 酒井抱一の、桜花屏風は、恐ろしいまでに完璧な作品です。様々な花弁の描き分けは勿論のこと、それにもまして新葉の表情の多様なこと、葉先の一つ一つが完結しています。幹に寄生した地衣類にも着目です。下部三分の一の銀箔を貼った部分は後世の仕事との事。制作当初の構図は、金箔背景の面積だったのでしょうか。

 また、他にも桃山期の屏風のモダンなこと! なんといても収穫は、江戸初期の大麦図屏風です。こんな構図や作風がこの時代に本当に存在したのかと思わせるほど大胆な構成です。画面を下と上部に二分し、上部は金箔一面、下部三分の二には大麦とおぼしき単子葉植物の葉の茂みと麦穂が一面に描かれています。しかしこの麦穂がホップの穂ではないかと思われるほど短縮され、白色に還元され、構図の中で画面のリズムをとるためにちりばめられた様相で翻訳されている様に、画師の構想力と造形力を見いださざるを得ないのです。

 他にも多々ありますが、まずは縄文土器から江戸の水墨、屏風まで俯瞰できます。このあと、全国4ヶ所に巡回だそうです。

東京都美術館バーク・コレクション展へ
日経新聞の記事へ

More つづきはこちら・・・
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by fantacl | 2006-02-27 12:13 | 美術と展覧会


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