2009年5月16日記 最近のベルリン探索成果です。
通っているドイツ語学校は、ベルリンの北側、プレンツラウアーベルクという、かつては東ドイツ国家公安人が多く住んでいて恐れられていた地域にあります。東西統一後の今は、街並みの美しさ、家賃の安さ、緑の多さで、学生や芸術家を中心にベルリン一の人気スポットだそうで、安くて素敵なそれも多国籍なレストランが多いです。ベルリン全体もそうですが、確かに家賃も食費も東京の6割くらいの感じです。 ↓[プレンツラウアーベルクはゼーネフェルダー駅よこで、タウンウオッチングをする人々。] 昨日は午前中にあるドイツ語学校の授業あと、とぼとぼと南西方向の横道にそれて1時間半くらい歩きました。途中の市民公園でハインリッヒ・ハイネの銅像を見つけてカメラ小僧に変身。ハイネはあちこち住居を替えていますし最後はパリで死去したそうですが、ベルリン滞在歴もあるようで、きっとこのあたりに住んでいたのでしょう。 先週も、南側別ルートを探索していたら奇妙な題名の刻み方がしてある像を発見。手前に天使のような子どもが二人彫刻されていて、一人は台座に逆文字(鏡文字)で、像の主人公の名前らしきものを描いている姿です。もう一人は鏡を持ってそれを映して読んでいるのです。ここはそのまま地下鉄U2の駅名になっていてゼーネフェルダー駅があります。いたい全体ゼーネフェルダーって誰?と思い、帰ってからwikipediaで調べたところ、石版画(リトグラフ)技法の発明者だということがわかりました。彼はミュンヘンの方で活躍したそうですが、おそらくこのあたりにも住んでいたことがあるのでしょう。 ↓[石版画の発明者ゼーネフェルダーの像。地下鉄U2の駅名にもなっている。] 隣の駅は、1919年代にドイツで起こった共産革命事件の首謀者で女性活動家のローザ・ルクセンブルクの駅です。リープクネヒトという同志と一緒に武装蜂起を仕掛けたのですが、400人の仲間と一緒に国防軍に鎮圧されて、銃床で殴り殺されて川に投げ捨てられ、半年放置されてしまったという経歴だそうです。共産東ドイツ時代は、悲劇のヒロインとしてなかば神聖化されていたようです。何とも凄惨だけど、この革命が成功していたらナチスのホロコーストも、もちろん大戦そのものも無かっただろうと思ったり、、、でも共産化したドイツは一体全体???とか色々興味深いのでした。今は、彼女のことばが刻まれた銅版が直径100メートル位にわたってあちこちに埋め込まれているのみです。 ↓[WikiペディアよりRosa Luxemburg マルクス主義の革命家] 西に歩けば、ベルリンの壁の跡地で、ここに逃亡トンネルがあった、ここの建物から飛び降り逃げおおせた。この教会は壁の緩衝地帯に取り残されて、1984年に東ドイツ政府によって爆破、破壊されてしまったので現在この仮の姿の教会になっている、、、とかとか、まさに現代史の中をさまよわされる感じです。壁そのものと壁から東側にあった約20メートルほどの緩衝地帯も保存されている場所にも出くわしました。ヨーロッパのあちこちから現代史を勉強中の高校生や大学生を乗せている団体バスがやってきていました。 ↓ベルナウアー通りのベルリンの壁跡。地面に二列の煉瓦が埋め込まれているところが壁跡。 ↓ベルナウアー通で起こった壁にまつわる有名な事件跡を示す碑。 二日前は、ドイツ語学校B1クラスの経歴がまちまちのフランス人三人と大手旅行会社を退社して来独中のサチコと5人でランチを食べに学校から南下して、女流彫刻家として有名なケーテ・コルビッツ公園近くのイタリアンに行きました。そこにはコルビッツの一見いかめしい感じの像があるのです。 ケーテ・コルビッツは第一次大戦で末の息子を亡くし、第二次大戦で長男の息子すなわち孫を亡くしています。一貫して貧しい民衆を描いたり彫刻に作っていて、戦前にかなり認められた作家でしたが、ナチスに退廃芸術家指定を受け戦争中は表だって活動できなかったそうです。ウンターデンリンデンのフンボルト大学とドイツ歴史博物館の間にあるベルリンの「ノイエ・ヴァッヘ」(国立中央戦争犠牲者追悼所)内部中央にはコルビッツ作の死んだ子供を抱きかかえる母親の像「ピエタ」がぽつんと一つだけ設置され、暗黙のうちに強い反戦をうったえています。残念なことに彼女は戦争終結直前になくなったそうです。これもウイッキペディアの記事からですが、、。 他にも、最近は、ドイツ技術博物館で"mathema" マセマという数学と自然の関係性を特集した企画展示を見ました。企画展"Die Mathematik die Sprache der Natur ?"「数学は自然が持つ言葉か?」あるいは、「自然は数学で描写できるのか?」と訳せるかな?!? ↓[ドイツ技術博物館屋上にはベルリン封鎖の時に生活物資を届けるのに活躍した米軍のC-47型輸送機。Museum für Entdeckerの表示はMuseum for Discovererの意味です。 ドイツ技術博物館は滞在三時間では半分も見ることが出来ませんでした。 ↓ Die ersten Computer der Weltと世界初のコンピューター発明者として、Konrad Zuseを紹介している特設コーナーがありました。みなさん、コンラート・ツーゼって知っていましたか? 僕はここを見るまで知りませんでした。 今週末は家にいてドイツ語の宿題と、水曜日の夕方フンボルト大学のハルトムートゼミで予定されている立方体万華鏡ワークショップの準備をして過ごします。
by fantacl
| 2009-11-13 00:41
| ドイツ滞在
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