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ミノリン教授のクリティカルな日々。いたずらターリーぬいぐるみ日記もいっしょ。 ★4月~9月までのドイツ研究滞在日記を半年遅れで掲載中です。 
by fantacl
5つの展覧会巡り
 昨日は、家族で都内展覧会巡りでした。最初に上野の東京都美術館「ルーブルコレクション・古代エジプト展」、次は芸大美術館の「D/J Brand」という芸大ドイツ留学組特集の企画展。さらに正木記念館で「Rosa(pink)」というこれまたドイツバウハウス大学との若手現代美術のコラボ企画展。池之端の下町をぬけて、下町の兄ちゃん達が担ぐ御輿の脇をすり抜けつつ、根津から六本木ヒルズ森美術館へカルチャーワープ!

52階の森アーツセンターで東京シティービュー、ちょうど夕焼けをウオッチ!それ「ダビンチのレスター手稿」展。さらに53階の森アートミュージアムで「杉本博司・時間の終わり」大回顧展と12時から夜8時まで、東京の夜景も満月も満喫!まるで海外旅行の美術館巡りのような一日でした。

 芸大の展示は日本におけるドイツ年がらみですね。大先輩格では東山魁夷や脇田和から始まって、佐藤一郎、渡辺好明、今義則、藤幡正樹までおよそ25人のドイツ留学経験のある現代美術作家を特集していました。
こんなにドイツ留学組がいたなんて!われわれの一年下が川俣正で、1984年にヨゼフボイスが芸大で講演会してるのですね。その時の講義に使った黒板がアクリルでカバーされてうやうやしく展示されていました。

 たしかこの美術館は六角鬼丈教授設計で、3階と地下2階のギャラリーは、現代美術にぴったりのホワイトキューブでとてもうらやましい空間です。中でも、今義則の「ドペルゲンガー」という写真と蝋人形のインスタレーションそれから増山裕之のフランクフルトから日本へ一つながりの12mの航空写真が圧巻でした。先端の教授、藤幡正樹のインタラクティブ映像は、インタラクティブ作品のスタンダードで、すでに歴史にきざまれたものですね。
ミュージアムショップもそこそこ充実しているし、特に陶芸作品の販売が半分くらいあるのが他館と違うところかな。作家がいくらでもいる層の厚みを感じさせます。でもちょっと人選が偏っているかな。

 森美術館のダビンチ手稿はなんとビルゲイツ夫妻のコレクションだって。ダビンチ作品で個人コレクションになっているのはこれっきりという話しです。ほぼA4サイズのノートの裏表38ページにわたって天体、地核、水、治水に関する観察と思索がぎっしり詰まっています。月の満ち欠けや地球のマントル対流説、流体力学についての考察はガリレオの100年前ということで、世界で最初に一人でそれらについて深く考えて、ほぼ真理を身の回りの観察と直感でやっているところには、もう、どう表現して良いのやら、、、そしてそれだけ科学している本人が絵画こそ人間の知的ヒエラルキーの最も高次のものだといっている、、、、言葉を失うばかりです、アウアウ、、、。実物展示は手稿保護のためになんと10ルックス!でそれも一分ごとに絞られて暗くなってしまうのです。

 それにしても杉本博司について、もっと知っておくべきだった。53階2000平米全フロアーを使った大個展。カンチョウヤマザキは打ちのめされた!森美術館での個展は杉本が初めてだって。9月15日発行のブルータスが特集してます。

ニューヨーク自然史博物館などのジオラマ展示を白黒8×10で撮った「Dioramas」シリーズは知っていたけど、海の水平線を撮った「Seascapes」や「Portraits」はしっかり見たことがなかった。展示空間構成の隙のなさも作品と同等に重要だということ、特に「Seascapes」のインスタレーションは神がかりの域ですね。空間、音響、画像、能舞台という物体の関係性、というかこれらの要素が渾然一体となった場そのもの、、、。半日歩きづめで、よたよたしながら観るものではありません。一週間前から体調コントロールして対峙すべきものです。観るのに体力と精神力がいります。どうしても集中してしまうので確実に頭痛がしてきます。

ルーブル美術館所蔵 古代エジプト展
芸大美術館Rosaあらわになる色〜ピンク
D/J Brand
『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』「レスター手稿」日本初公開
杉本博司「時間の終わり」展
by fantacl | 2005-09-19 11:55 | 美術と展覧会
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