ミノリン教授のクリティカルな日々。いたずらターリーぬいぐるみ日記もいっしょ。 ★4月~9月までのドイツ研究滞在日記を半年遅れで掲載中です。 
by fantacl
第6回広島賞がみれる
a0026528_133081.jpg

明日明後日は広島に出張してきます。進学相談会があるのです。
二日目は、広島市現代美術館を見てきます。

三年ごとにある広島賞受賞者の企画展があります。
第6回ヒロシマ賞受賞記念展は、今年はイラン人の《 シリン・ネシャット展》です。
イスラム社会で抑圧される女性をテーマにした写真です。

偶然なのか計画なのか、他の企画展2題も女性アーティストの企画です。
マリ=アンジュ・ギュミノ展 《 Nevers Hiroshima》
クララ・アルテール展   《 戦争か、平和か? 》

戦後60年の広島は女性三人の現代美術を特集しています。

三年前の広島にも行きました。その時の広島賞はその後ニューヨークのワールドトレードセンター跡地に建てるモニュメント的な建築コンペで一位を取ったダニエル・リベンスキッドでした。

広島市現代美術館の常設用ギャラリー5部屋に対して、5作品の建築インスタレーションは、実現した氏の建築を約10分の1の紙(ハニカムボード)で表現したスケールモデルでしたが、どんな現代美術作家の提示よりもインパクトがあり圧巻でした。近年見た展示では、最も忘れがたいものの一つです。
a0026528_10282917.jpg
 シリン・ネシャットの映像インスタレーションは、非常に説得力を持っていました。
会場にはおよそ8つほどの映像空間が設営されていました。典型的な映像空間は横5m×高4mほどのスクリーンが部屋の左右それぞれに設置され、中間の壁面は床も天井も黒でブラックアウトされています。ちょうど長さ10mで黒いのボックスの両端を白いスクリーンにした格好です。

彼女が映像作家としてデビューした1998年昨の「荒れ狂う」は、その左右のスクリーンを巧みに使った10分ほどのムービーです。箱の真ん中側面から入った観客は、右スクリーンにイスラムの民族音楽を朗々と歌う白シャツ姿の堂々とした男性を見ます。彼の歌に数十人の男性の観客が聞き入り拍手をしたりします。

それとは対照的に左側のスクリーンには、黒いチャドルを頭からすっぽりかぶった女性が誰もいない観客席を前に背を向けて老婆のように佇んでいます。右の男の歌がおわると、今度はチャドルの女性の番です。

彼女は、歌詞のない高低様々な、時に鳥のさえずりや地からわき起こるうなり声のような旋律を体から絞り出しはじめます。観客のいない空間に向かって歌詞のない、しかし豊穣な音響を体から絞り出すパフォーマンスは、そのまま自然と繋がり宇宙と交信しているようにも聞こえます。

イスラム社会の戒律や慣習によって隔たった男女のコントラストを9分の映像と、左右の壁に同時に投影するというインスタレーション手法によって、見る者に強烈に伝達することに成功しています。

他のコンテンツも、説明したいのですが、説明に時間がかかりそうです。2001年作の「パッセージ」は、砂漠にうごめく20人ほどのチャドルの塊がなんとも不気味に、宗教文化という名の価値観によって行動を規定される人間の不自由さをダイレクトに伝えていて、すくんでしまうものがありました。
[PR]
by fantacl | 2005-08-09 22:34 | 美術と展覧会
<< 広島への往復フライト 桐生祭りとまゆ玉転がし大会 >>


カテゴリ
いたずらだ!ターリー
おや自虐ギャグ?
ドイツ滞在
ビミョウなお味じ
ちょっと手料理
ファンです
美術と展覧会
デザインとアート
ICT & WEB2.0
出張と現地の風景
上海の街角
広州の街角
広州出張授業
旅、乗物
季節はめぐる
日記的なもの
ワークショップ
オリジンスタジオから
about Minori Yamazak
タグ
記事ランキング
最新の記事
検索
以前の記事
LINK to my other Site & Blogs
ブログジャンル
その他のジャンル